両親は自宅で生活しているが、2人とも高齢になってきたため今後の自宅の管理が心配です。
また、今後両親が施設に入所する可能性も考えると、施設費捻出のために自宅を売却することも視野に入れています。両親が認知症になってしまうとそういった売却等もできなくなってしまうので、資産凍結に備えて家族信託という制度があると知りました。
家族信託制度を利用したいと思い、自宅不動産について調べましたが、自宅の底地の一部の地目が田であることが判明しました。この場合でも、不動産を信託することは可能でしょうか。また、建物は全て父名義なのですが、宅地である1筆は父と母が共有名義です。この場合、信託契約書は2本になるのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。
お客様のおっしゃる通り、不動産の名義人であるご両親が認知症になってしまうと、ご自宅の売却ができなくなってしまいます。売却等もお考えなのであれば、家族信託で自宅を信託しておくと安心です。
不動産を信託する際は、公証役場で信託契約書を作成した後、その不動産について信託の登記手続を行い、信託財産であることを対外的に明示することになります。
しかし、農地も他の宅地等と同様に信託することができるのか気になりますよね。
結論から申し上げますと、地目を宅地へ変更すれば信託することが可能です!
お客様の場合は、登記簿上の地目は田ですが、自宅の底地とのことなので現状は宅地のようですね。まずは地目を利用現況にあわせて宅地へ変更する必要があります。
- 地目変更登記
- 信託契約
- 信託登記
といった流れとなります。
地目を変更するのは土地家屋調査士の仕事ですが、弊所は土地家屋調査士事務所も併設しているので、ワンストップで進めることができます。
また、土地の一部がご両親共有名義となっているそうですね。
以前同様のケースでお手続きをした方は、お母様は共有で持っている土地以外には特に信託する金銭もお持ちではない方で、かつ、贈与税もかからない範囲でしたので、信託契約前にお母様の持分を全てお父さまへ贈与し、全てお父様名義にしました。
お母様はまだまだお元気そうでしたが、お父様がご病気がちで、お父様が亡くなられた後のお母様の生活も心配、というご家族でしたので、以下の信託契約設計で契約書を作成しました。
- 委託者:お父様
- 受託者:お客
- 受益者:お父様→お母様
不動産を夫婦で共有している場合、委託者を2人とする1つの信託契約で信託することも可能ですが、不動産によって持分比率が異なる場合は、贈与税の問題が発生してしまいます。
契約書の内容がそれぞれのご家族ごとに異なるように、契約書の本数もご家族の状況によって異なります。
詳しくご事情をお伺いさせていただき、お客様に合った信託ができるよう契約書作成のサポートをいたしますので、ご相談ください。