妻が亡くなった後、妻が相続した私の財産を甥に引き継がせたい

質問:新潟県にお住まいの男性の方

長年連れ添った妻の認知症が進行し、私のことも分からなくなってきた。切ないが年齢的にも仕方がないことなのだろう。一方、私は体調が思わしくない日が続いていて、いつまで一緒にいることができるのか、もし私が先に亡くなったら妻の生活はどうなるのか、不安は尽きない。子どもがいればここまで心配することもなかったのだろうが、私たちには子どもがいない。

私が亡くなった後は、私の財産は全て妻に相続してもらいたいが、私のことを慕ってくれていた甥にも何かしてあげたい。妻が亡くなった後、妻が相続した私の財産を甥に引き継がせることができれば一番いいのだが、遺言書を書いておけばいいのでしょうか。

回答:司法書士法人トラスト

ご存じの通り、財産の行方を指定するには「遺言書」を作成します。

ただし、遺言書で指定できるのは一世代までとなりますので、お客様のお気持ちを実現するためには、お客様に「全ての財産を奥様へ」、そして奥様にも「全ての財産を夫の甥へ」とした旨の遺言書が必要になります。

しかし、認知症等で意思能力、判断能力が乏しい状態では遺言書を作成することはできませんし、そのような状態で作ることができたとしても無効になります。

とすると、どうしたらよいのか迷われますよね。

実は、遺言書ではできない、二次相続先まで指定することができる制度がございます。

それが最近話題の「家族信託」という制度になります。

家族信託には遺言のような機能を持たせることもできます

家族信託は財産管理の一手法ではございますが、遺言的な機能を付けることもでき、今回のような場合に有効です。

お客様が先に亡くなられた場合、奥様のお金そのものだけではなく、施設費や各種税金の支払い等、これまでお客様がされていた日常的な財産管理は誰がするのだろうか、どうしたらいいのだろうということも心配だと思います。このようなご心配についても家族信託でカバーできる可能性があるのです。

すでに認知症となっている人の財産管理をするには、成年後見制度を利用するしかありませんが、契約の内容によって、成年後見制度の代用となる財産管理も家族信託で行うことができます。

【信託設計例】

委託者:夫

受託者:甥

受益者:夫、夫亡き後は妻

信託期間:夫及び妻が亡くなるまで

帰属権利者:

例えば、このような家族信託はいかがでしょうか。

このような契約にすると、委託者となる自分の財産管理だけではなく、自分の亡き後、多くの財産を相続した奥様の財産管理まで受託者にお願いすることができますし、受託者に託した財産を最終的に甥御様に引き継がせることができ、お客様のご希望された財産の流れを作ることができます。

家族信託を利用するときの注意点

ただ家族信託も万能とは言えません。財産管理の一手法であることを先程お話いたしましたが、家族信託をしたからといって必ずしも法定後見人をつけずにすむ、という保証にはならない点に注意が必要です。

信託することが出来るのは、信託財産についてのみであるため、信託されていない財産を受託者が管理したり、何世代も先までの承継者を指定したりすることはできません。

また、法定後見制度のように身上監護(医療・介護サービスの締結、施設の入退所の手続など)はできないため、場合によっては任意後見契約などを併用した方がよいケースもあります。受託者が家族としての立場で身上監護が出来そうなのであれば、この限りではありません。

さらに、奥様のご親族で相続が発生し、奥様が相続人として遺産分割協議に参加しなくてはならなくなった場合、その時点で意思判断能力がないと法定後見制度を利用せざるを得ないこともあります。

家族信託作成に関する最大のデメリットは、費用・時間・手間などの初期の導入コストがかかることです。

費用については、信託財産の金額にもよりますが、トラストで作成の場合は報酬がおよそ60万円、その他公証人の費用が5万円程かかります。

作成にかかる期間ですが、家族信託普及協会や公証人との調整があるため、早くても3ヵ月ほどかかります。

お手間についてですが、契約書の案文作成はもちろん弊社で行いますが、その内容でお客様の当初の願いが叶えられているのかについては、一緒にご確認いただく必要があります。また、信託専用口座の作成にご協力いただく場面もあり、信託スタートにあたっては少しお手間に感じられる部分もあるかもしれません。

費用や手間も含めて慎重にご検討ください

ただ、これらの準備は、お客様になにかあってからでは行えないものになりますので、大変だと思いますが、出来るだけご負担のないようにこちらも配慮して進めて参りますので、ご理解・ご協力いただければと思っている点になります。

かかる費用も高額なものとなりますので、すぐにお決めいただかなくて大丈夫です。受託者候補の甥御様を含め、ご家族でしっかりお話合いいただき、その後必要でしたらお声がけいただければと思います。

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